ここ数年、中国インターネット業界にはイノベーションの波が絶えず押し寄せ、さまざまな細分化された分野で一連のネット企業が成功を収めた。だが残念なのは、中国のネット企業のほとんどが米国をモデルとしていることだ。三大ポータルサイトはヤフーを、検索エンジンの百 度はグーグルを、人材募集サイトの前程無憂はモンスターを、動画サイトの優酷や土豆などはユーチューブを、それぞれモデルにしている。フェイスブックの主な模倣者は人人網だ。当然のことながら、中国ネット業界にも一連のイノベーションモデルが登場し、奇虎360の無料のセキュリティソフトなどが登場している。だが中国のネットが発展して今日に至る中で、フェイスブックのような業界を牽引する大手企業が出現することはなかった。すでに米国ニューヨーク証券取引所に上場を果たした奇虎や人人網も、きらびやかな上場初日を過ぎると徐々に停滞し、人々をがっかりさせている。
長期的にみれば、イノベーションパワーの喪失により、中国インターネット産業は国際競争の中で劣勢にある。こうした情勢を挽回しようとするなら、知的財産権の保護状況の不十分さ、専利(特許、実用新案、意匠)の申請に時間がかかりすぎること、市場の無為な競争といった外部環境の問題を解決しなければならない。より重要なことは、中国企業のイノベーション展開に向けた自覚と能力を不断に向上させる必要があるということだ。市場は最も貴重なイノベーション資源であり、中国という大市場は中国企業のイノベーションにおける最大のパワーである。国内市場と利用者の需要を十分に理解し、国内の広大な市場資源という優勢を利用し、イノベーションを大胆に試みることが必要で、目先の利益を焦って求めたり、無計画な模倣を行ってはならない。企業は自身の位置づけを明確にし、長期にわたって持続的発展が可能な業務のプラットフォームを着実に打ち出す必要がある。条件が許す範囲で、企業は勇気をもって海外に進出し、海外市場の特色に合致した製品とサービスを開発し、これを運営し、国際的なインターネットブランドを樹立しなければならない。
中国にもフェイスブックのような偉大なインターネット企業が出現するものと期待する。
「人民網日本語版」2012年2月10日