家電のリコールが中国市場だけ対象漏れとなるのは、ほとんど業界の慣例になっている。昨年10月、ソニーは液晶テレビブランド「Bravia」160万台を世界規模でリコールしたが、中国市場では予防検査を行うのみだった。
2010年1月、冷蔵庫のドアの安全性に問題があるとして、シャープは世界規模のリコールを行い、48品種、およそ43万台を回収した。しかしこの冷蔵庫も中国市場は例外だったのである。同年9月、東芝も4.1万台のノートパソコン「Satellite T」シリーズのリコールを発表したが、中国市場は対象外だった。
家電メーカーが中国市場でリコールを行わない理由はそれぞれだが、いずれにせよ、他国で大きな問題が生じたにもかかわらず、中国で売られる製品は「問題ない」というのである。