日本財務省が発表した貿易統計によると、今年1月の日本の貿易収支は単月で初めて1兆円を上回る赤字となった。輸出超大国の日本の貿易収支は2011年度に1980年以来31年ぶりの赤字となり、赤字額は2兆4900億円に達した。同じく輸出超大国である中国が、日本の貿易赤字転落から得るべき教訓は3つある。
教訓その1:輸出大国または輸出大国になろうとしている国は、経済環境の大きな変化に目を向ける必要がある。世界の政治・経済環境の変化は輸出入、特に輸出の伸びに大きく影響する。
日本の貿易収支が2011年に赤字になった原因として、欧州債務危機の深刻化など国際経済情勢の大きな変化が日本などの輸出大国の貿易の伸びに影響を及ぼしたことが挙げられる。考えてみれば、日本の2010年の貿易収支は6兆6000億円の黒字だったが、2011年には2兆5000億円の赤字に転落した。2012年は欧州債務危機の不確定性があるほか、自然災害およびイラン核問題による原油価格の変動などが予想され、日本の貿易、特に輸出は厳しい状態が続くと見られる。今年1月に赤字を計上したことがよい例だ。
中国も例外ではない。中国の輸出製品の米国、EU、日本におけるシェアは2011年第3四半期から低下し、それぞれ1.3ポイント、1ポイント、0.6ポイント下がった。中でも、労働密集型製品の輸出下げ幅は大きい。2011年の中国の貿易黒字の前年比伸び率は2010年の7.2%縮小に続き、さらに14.5%縮小、黒字額は263億7000万ドル減少した。2012年も中国の貿易は複雑かつ厳しい状態が続くと見られる。1月の中国の輸出入伸び率はマイナス成長となり、輸出と輸入はそれぞれ0.5%と15.3%低下した。ここから、2012年の中国の輸出入伸び率は低下し続けると予想され、輸出の下げ幅を十分に判断することができる。