教訓その2:いかなる輸出大国も競争優位性を長期的に維持することはできない。
2011年、日本は30年ぶりに貿易赤字となった。しかし、これは偶然ではない。米紙ウォールストリートジャーナルは、先月24日、「輸出大国日本の終焉」というタイトルの文章を掲載、「世界最強の輸出大国がその原動力を失いつつある。数十年来、強大な製造能力と輸出志向型貿易政策で日本は世界に大量の自動車、電子製品、半導体を輸出してきた。しかし、このような状況は過去のものとなった」と指摘した。これはなぜだろうか?根本的な原因は競争勢力の変化にある。日本はかつて他の国から手本とされる存在だったが、最終的に、残酷にも中国など他の輸出国に追い抜かれる羽目に陥った。中国やブラジルなど新興市場国の急成長により、世界の勢力図は大きく変わったのである。
同じように、中国も今後、他の新興市場国と競争しなければならなくなる。他の輸出国に追い抜かれる事態にも直面するだろう。現在、中国では労働コストなど各種のコストが上昇し、かつて有した輸出の競争有利性が弱まってきている。実際、労働集約型製品の競争では、発展途上国に押されつつある。また、ここ数年、輸出製品の貿易摩擦が激化し、労働集約型産業だけでなく、通信、太陽エネルギーなど新興産業にも打撃を与えている。中国が有していた輸出の競争優位性は今後、さらなる課題に直面するに違いない。したがって、中国は新たな優勢を見出すか、現有の競争優位性をさらに向上させる必要がある。