ソニーの再出発
今年2月、ソニーは7年ぶりに携帯ゲーム機「PlayStation Vita」を欧米市場で発売した。
Vitaの発表は、世界560億ドルのテレビゲーム市場が過渡期に入ったまさにそのときに行われた。携帯電話からタブレットPC、そしてSNSと、世界の隅々にゲームが提供され、テレビゲームの地位は急下降した。このような状況はソニーや任天堂、マイクロソフトなど老舗企業に大きなプレッシャーを与えた。
ソニーにとって、一連の変化がもつ現実的意義はとても大きかった。ゲーム事業はソニーの年収の10%以上を占める。その中でも「PlayStation」はソニーが復活できるか否かを左右する重要なアイテムである。赤字が四年間続いていたときも、ソニーは「PlayStation3」の発売によって、業績を黒字に戻した。ただ、「PlayStation3」は5500万台以上の売り上げを記録したものの、マイクロソフトの「Xbox 360」には勝てなかった。
Vitaはマルチタッチパネルを使用している。しかし、インターネットの時代にマルチタッチパネルだけで生き残れるほど世間は甘くない。
ソニーは1946年に創立された電子企業である。今や日本やアジア企業の見本となっている。トランジスタラジオやトリニトロンテレビ、「Walkman」などを生み出し、ソニーは20世紀の流行とブームを巻き起こした。ピーク時の勢いは今のアップル社のようであった。