1999年、創始者の盛田昭夫氏が逝去した際、アップルの故スティーブ・ジョブズ氏は製品発表会の舞台で、盛田氏の写真をスクリーンに映し、観客にこの「天才」の業績を伝えた。ジョブズ氏自身、盛田氏から大きな影響を受けたことを認めている。アップル社の目標は「アメリカのソニー」になることだ。しかし、アップルが時代のトレンドとなる一方で、ソニーは輝かしい時代から暗黒の時代へと突入していった。
ここ10年、ソニーはインターネットとゲームをリンクさせようと努力し、再び電子分におけるトップの地位を奪い返そうと試みた。そして、2011年、数年間の赤字を経て、ソニーは希望の光を見出した。
ソニーが再出発を遂げようとしたそのとき、突然襲来した大震災がソニーの生産ラインを寸断。ソニーは大打撃を受けた。それまで20億ドルの黒字と予想されていた業績予想は30億ドルの赤字へと変わった。未来、復活、地位の奪回を目指すソニーの計画もしばらく頓挫してしまった。
この影響で、終身雇用制への批判が相次いだ。人々はこの制度が人員削減によるコスト節約を妨げ、競争力を低下させていると非難した。しかし、実際のところ、人々が非難しているのは終身雇用制度だけではない。現在、日本が戦後築き上げてきた独特の企業文化すべてが疑問視され、見直しを求められている。