米大統領選までわずか数カ月となった。米国の世論は、オバマ氏の近ごろの政治色濃い対中貿易における強硬な姿勢は、共和党の批判に対抗し、有権者を味方につけることが狙いだと見ている。ロイター通信は、11月の大統領選での再任を目指すオバマ氏は、対中貿易政策でさらに強硬な姿勢をとる必要があるとの見解を示した。
「ウォール・ストリート・ジャーナル」は14日、貿易問題で中国をたたけば、米国の政界は少しの努力でうまい汁を吸うことができると論じた。オバマ氏にとって、苦しい大統領選の年にレアアース輸出をめぐる中国提訴するというやり方は、一つの必勝法だといえる。
一方で、英「フィナンシャル・タイムズ」は14日掲載の社説で、中国政府がレアアースの管理を強化するのは産業を整備するためで、合理的だと論じた。この業界では、無責任な業者がむやみに採掘するという現象が頻繁に起きている。中国には、環境と安全を守るために産業を整備する理由がある。他国の業界基準がさらに高く、新たな希土類資源の開発における行動が遅いことにより、中国のレアアース供給に大きな注目が集まっている。
また社説は、この提訴がレアアース供給で中国が主導的立場を握っていることによる地政学的なパニックをエスカレートさせたと見ている。中国政府による輸出割当枠の削減は輸入業者に一種の脆弱感を感じさせたが、実際は過度な心配は不要である。成長が停滞している地域のレアアース需要は少なく、価格に下げ圧力がかかっている。昨年、中国産レアアースの買い手は輸出割当量を消化しきっていない。