米「ニューヨーク・タイムズ」は、中国のレアアース輸出政策は間接的に西側と日本にとってメリットになるとの見方を示した。米インディアナ大学レアアース業専門家のスコット・ケネディ氏は、中国の制限措置はその他の国のレアアース産業への投資と生産を刺激したと話す。米国がレアアース鉱の開発を再開したほか、オーストラリアのレアアース生産業者ライナスも生産拡大に乗り出した。オーストラリアとマレーシアで業務を行う同社は、2013年までに年産量2万2000トンを実現する見込み。この規模は中国の2011年の輸出量の約40%に相当する。
ブルームバーグは13日、米国による中国のレアアース輸出に関する提訴は、逆に不利を招く可能性もあると分析。米レアアース問題専門家のジャック・リフトン氏は同紙に対し、「仮に米国が勝訴した場合、中国はレアアース輸出量を大幅に引き上げざるを得ず、米唯一のレアアース生産業者モリコープの『手ごわいライバル』を誕生させることになる」と語った。モリコープはカリフォルニア州マウンテンパス鉱山でレアアース採掘を再開したことが伝えられている。中国に圧力をかけ、輸出制限策を変更させることは、十分な加工能力がある日本と欧州に利益をもたらすだけである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月15日