ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関(UN Women)中国国家プロジェクトのマネージャーを務めるジュリー・ブルサード氏は、このほど中欧国際工商学院で行われた中国女性指導力フォーラムで講演を行った際、中国経済は過去20年間に飛躍的に発展し、多くの女性が収入の伸びるペースの速さを感じているとみられるが、実際にはこの間に女性の平均所得は男性に比べて大幅に減少したという最新の研究成果を明らかにした。「文匯報」が伝えた。
ブルサード氏によると、1990年には都市部女性の所得は男性の所得の77%に相当し、農村部女性の所得は男性の79%だった。だが今日ではこの割合がもっと低くなり、都市部では67.3%、農村部ではわずか56%に低下した。
同学院の李秀娟教授によると、実際には中国の女性の就業率は世界最高で70%に達し、女性企業家は2900万人を数える。先進国でも男性の就業率は83%、女性は64%だ。
ブルサード氏の分析によると、女性の就業率は経済発展と密接な関係にある。アジアでは女性の失業率は45%だが、男性は19%にとどまる。世界銀行とアジア発展銀行がこのほど発表した報告によると、アジア地域では就業に関して男女間の不平等が存在し、このためアジアは毎年470億ドルもの代償を払っているという。またユーロ圏、日本、米国でまとめられた統計によると、女性にっと多くの雇用機会を提供することができれば、女性が生み出す国内総生産(GDP)はユーロ圏では13%、日本では16%、米国では9%増加するという。
李教授によると、女性が受ける教育のレベルはますます高くなっているが、企業のトップクラスに占める女性の割合は20%を超えない。伝統的な女性に対する差別だけが原因ではなく、女性が職業キャリア形成において十分な自信をもつことができず、心理的に限界線を引いてしまうケースが多いとみられる。こうした考え方によって、多くの中国人女性が自分の長所を正確に認識できず、社会的な関係性の中で自分の立ち位置をはっきりさせられずにいるのだという。
「人民網日本語版」2012年4月7日