このように見ていくと、ソニーの携帯部門が危うく見える。携帯部門はソニーの赤字に大いに貢献している。その危機感の表出として、2012年2月のエリクソンの完全子会社化がある。経済評論家の彭雄江氏は、ソニーのエリクソン子会社化は携帯業界からみて決して有効ではなく、むしろ悪夢の始まりだと指摘する。ソニー携帯は、ソニーエリクソン時代のような世界的な業績を上げることは困難である。エリクソンを完全子会社化したソニーにとって、唯一の戦略は戦線縮小であるとの見方を示している。
現在の平井氏の全体戦略を見る限り、携帯分野に多くの希望を見出していない。業界筋は、もし平井氏が早い時期に実権を握っていれば、このような大きな代価を支払うことはなかった。つまり平井氏が早めにCEOに就任していれば、ソニーがエリクソンの株を引き取ることはなかった、という見方さえしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年4月11日