<中国証券報>16日から、銀行間直物外為市場の人民元対米ドル相場の変動幅が0.5%から1%に引き上げられた。これは人民元為替レートの柔軟性向上における重要な制度改善で、人民元相場を均衡のとれた水準に近づける働きもある。16日付中国証券報が伝えた。
2005年の人民元為替制度改革以降、中国の経常黒字は拡大し続け、人民元は単方向の上昇圧力を受けてきた。しかし昨年第4四半期から、経常収支は赤字になり、資本流入が鈍化し、国際収支は均衡水準に近づいている。このような状況の中で、市場の人民元相場の先行きへの見方が分かれ、元の対米ドル相場は上下双方向に変動し、中国人民銀行が人民元の変動幅を拡大するのに絶好の時期となった。
まず、人民元対ドル相場の変動幅の拡大は、人民元為替相場形成メカニズムをさらに改善し、その対米ドル基準値の指導的役割を強めることになる。中国外貨取引センターが銀行間外国為替市場の寄付前にすべての銀行間外国為替市場のマーケットメーカーに価格を尋ね、すべてのマーケットメーカーの提示価格をもとに、最高価格と最低価格を除いて加重平均で算出することは、現在の人民元相場基準値の形成メカニズムである。昨年12月、銀行間直物外為市場の人民元対ドル相場は12営業日続けてストップ安となった。また、商業銀行による為替売買価格はいずれも基準値を上回り、基準値が外貨市場の需給関係を反映できなくなったことを示した。人民元対米ドル相場の変動幅の拡大後、より大きな変動幅の中で、取引主体の間で完全な売買目的の取引が行われ、取引を通して適正な価格水準を知り、為替相場を合理的で均衡のとれた水準に近づけることができる。