◆預金流出が貸付の拡大を制約
多くの銀行関係者が、第2四半期の初めに預金が大幅に減少したことにより、預貸率の制約が銀行の貸付の拡大を妨げたことを明かした。
3月、銀行の新規預金額は2兆元という「天文学的数字」に達したものの、4月初めから、大量の資金が一斉に銀行システムから流出している。データによると、4月初めの2週間、四大銀行の人民元建て預金の流出額は1兆元を超えた。
申銀万国証券の研究報告によると、4月、3250億元の財政預金の上納があること、同業預金に4000億元の流出が見積もられること、非正常貸付による預金相殺額が5000億元相当となることなどの影響により、預金と広義マネーサプライ(M2)はゼロ成長あるいは小幅なマイナス成長になる可能性があり、4月のM2伸び率は12.9%前後に低下すると見られる。預金の伸びが不調な状況の中、貸付放出が高い数値を維持するのは難しい。
しかし、監督・管理部門の関係者によると、預金は貸付に影響を与える直接要因ではなく、「現在、株式制銀行全体の預貸率は比較的高いため、預金の流出による影響が大きく、株式制銀行が積極的に貸付規模を抑える事態を招いている。しかし、大手国有銀行と都市商業銀行の現在の預貸率は決して高くなく、これら金融機関の貸付規模の伸びは主に貸付限度額の影響を受けている」と述べた。
「中国証券報」より 2012年5月2日