東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国、日本、韓国の「10+3」による第15回財務相・中央銀行総裁会議が3日、フィリピンのマニラで開催された。会議では東アジア地域のマクロ経済情勢や地域の財政金融協力といった議題について話し合い、東アジアで緊急時に外貨を融通しあう安全網「チェンマイ・イニシアチブ」(CMI)の下部機関として設立された地域レベルの外貨準備基金の融資枠を倍増して2400億ドルとし、国際通貨基金(IMF)の融資計画と「連動しない」融資枠を拡大することを決定した。
10+3マクロ経済研究弁公室の魏本華主任は会議終了後に取材に応える中で、今回の決定は金融危機により効果的に対応し、地域内の各国に危機が与える衝撃を軽減することが狙いだと述べた。
アジア開発銀行は3日、今回の決定を歓迎するとの声明を発表した。声明が紹介した同行の地域経済一体化弁公室のイワン・アジス主任の話によると、今回の決定はともに協力し、相互に支援し合うという13カ国の願望を反映するものだ。地域経済や金融市場における連携がますます密接になるのにともない、同行はこの地域が協力と調整を一層強化するよう期待するという。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は2日の報道の中で、今回の決定はアジア太平洋地域の金融安全網をしっかりと強化するものであり、経済の持続的成長を保障するものになると述べた。フィリピンのテレビ局GMAネットワークが3日に紹介した米コロンビア大学の経済学者ジェフリー・サックス氏の評論によると、アジア諸国はこうした手段や方法を採って迅速な対応力を強化する必要がある。米ドルはもはや世界唯一の準備通貨という役割を演じ続けることはできず、世界はこれから米ドル、ユーロ、人民元、日本円など、少なくとも3-4種類の安定した準備通貨をもつことになるという。