魏主任によると、2010年に発効した地域レベルの外貨準備基金はASEANと中日韓によるCMIの枠組下で設立されたもので、10+3が共同で参加する多国間の通貨互換メカニズムだ。単一の合意に基づく共同の政策決定メカニズムを通じ、迅速で一致した行動を取って通貨互換取引を進めるのが狙いだ。13カ国は1200億ドルを出資することで合意し、出資比率は中国と日本がそれぞれ32%、韓国は16%、ASEANは20%となっている。今回の融資枠拡大を受けて、各国はそれぞれの出資比率に基づいて出資額を増やすことになる。
今回の決定により、IMFの融資計画と連動しない同基金の融資枠の割合が20%から30%に増加したほか、14年には情況を踏まえて40%まで拡大する計画だ。この連動しない融資枠の割合とは、10+3が困難に直面して基金の利用を申請した場合、いかなる条件もつけられずに直接獲得できる融資の割合の上限を指す。より多くの融資が必要な場合は、IMFと初歩的な融資合意を結ばなければならない。このことが意味するのは、10+3が同基金の融資を獲得する場合、IMFの融資の制約を受けずに獲得できる金額が目立って増加するということ、またCMIが地域金融の安定に果たす役割が一層大きくなるということだ。
魏主任によると、10+3は次の2つの情況において融資枠獲得の請求が認められる。一つは、当該国の流動性が全体的に困難な情況に陥っている場合で、外貨準備が不足している場合などだ。もう一つは、当該国の国際収支が困難に陥っている場合だ。現在、アジア諸国の経済情勢は全体として好調で、主な脅威は外からやって来ている。たとえば欧州債務危機の影響がアジア諸国の国際収支に短期的な困難をもたらしていることなどだ、という。