米ニューヨークのタイムズスクエアは、ブロードウェイとセブンスアベニューが交わる「三角地」で「世界の十字路」という輝かしい異名を取る場所だ。いくつものビルに掲げられた密集した広告は、世界中のビジネス界の縮図のようだ。
現在、中国企業の広告がこの最高ランクの企業が集まる格闘場に増え続けていることに、人々は気づき始めた。
2011年、米国東部時間8月1日午前、中国の大手酒造メーカー五粮液のイメージ広告フィルムがニューヨークでお披露目された。最近では、家電メーカー・珠海格力股份有限公司が強烈な広告戦略に出ている。1日160回もの高頻度で5年間の広告契約を結んだ。この会社は、現在、NYタイムズスクエアで最大の広告主で、イメージフィルムの放送時間が最も長い中国企業となっている。
昨年8月、タイムズスクエアの広告に、五粮液とコカコーラが同じ舞台に登場した。
「これは、中国企業がブランドとプロモーションを重視し始めていることを意味しており、安価な工場という刻み付けられたイメージを払拭する狙いがある。」と海外メディアは次々と「中国企業の初お披露目」を分析した。
視覚効果以外にも、メーカーにとってはタイムズスクエアで広告をするということはより現実的な意味を持っている。珠海格力は、今回のイメージフィルムで企業理念やエアコンを主に打ち出した。テーマは「中国の格力、世界の格力」で放送時間は30秒、放送頻度は最高で1日160回、最低でも1日40回で、最初に5年契約を結んだ。「われわれは外国に向かって自主ブランドを打ち出したい。これはわれわれの長期的な成長戦略によるものだ。」格力電器の望靖東副総裁は取材に応えて語った。
実際、中国の家電企業の輸出は基本的にOEM(納入先商標による受託製造)から始まっているが、ここ2年ほど市場は縮小、コスト高と2重の圧力が高まっている中、OEMの利益は次第に薄くなっている。しかも、注文が安定しないという問題もある。いかにして直接海外の消費者に製品を届けるかが、多くの中国企業にとって最も切迫した課題となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年5月7日