鉱石の契約価格の制定は、各種鉄鉱石のスポット価格指数を参考にしており、代表的なのが、エネルギー関連情報を配信している海外機関、プラッツ社が作成した「プラッツ指数」である。しかし、これらの指数サンプルがカバーできる範囲には限りがあり、多くは電話による価格照会に基づくもので、正真正銘の成約価格ではなく、公正で合理的であるとは言えない。
例えば、2012年4月末、鉄鋼価格と鉱石価格が一律下落傾向にある中、プラッツ指数は逆に1米ドル高い148米ドルまで値上がりし、「価格吊り上げ」のきらいがあるとの疑念が市場に広がった。
このような状況の中、中国の鉄鉱石スポット取引プラットフォームの実現に、積極的な意義がある事は明らかである。これは、「ネットショッピングサイトの淘宝網(タオバオ)に似ているところがある。売り手と買い手がお互い、資源をプラットフォームにアップして取引を行なう。保証金制度も導入され、情報がより公正となり、契約の履行率も高くなる」と業界関係者は話す。
記者は取材の過程において、この新たなプラットフォームに対して、業界は興味津々でありながらも、ある程度検討する余地を残していることが分かった。それは主に以下の三つの面に集中している。