中国鋼鉄工業協会(中鋼協)、北京国際鉱業権交易所などの機関が設立を提唱した中国鉄鉱石スポット取引プラットフォームが5月8日、正式に取引を開始した。現在、同プラットフォームには138社の企業が加入しており、取引開始直後に2件の計18万5000トンの鉄鉱石の取引が成立した。5月9日中国証券報が伝えた。
近年の鉄鉱石の価格上昇は中国鉄鋼業の悩みの種だった。中鋼協常務副秘書である李新創氏は「過去10年で、鉄鉱石の輸入価格は9.4倍値上がりしている。利益の最大化を追求するため、世界鉱山開発大手は、鉄鉱石価格の改定周期を1年間から四半期ごと、月次への短縮を推し進め、更には直近のスポット価格を押し付けられ、中国鉄鋼業は徐々にごくわずかな加工費を稼ぐ「労働者」に陥った。2012年第1四半期に中国鉄鋼業が新世紀以来、業種全体で初めての赤字となった事がその明確な証拠である。
当初、中国鋼鉄工業協会も国内の鉄鋼企業も揃って鉄鉱石のスポット取引に反対していた。しかしながら、厳しい市場環境によって、徐々にその態度に変化が生じた。南京鉄鋼の楊思明取締役会長は「鉄鋼企業は契約価格で鉱石を購入し、本来なら一定の大口購入による優遇を受けられるはずである。しかし、実際には鉱石の契約価格は市場価格よりも1トン当たり5―9米ドル高いのが現状だ」と話す。