予測を下回る経済・金融データは需要が著しく不足していることを反映している。一方で、外需は短期間での好転は難しいと思われる。欧州債務危機の出口は一向に見えず、ユーロ圏の経済状況は益々悪化している。ユーロ圏の4月の製造業購買担当者指数(PMI)は45.9まで低下し、2009年半ば以来の最低記録を更新した。欧米の経済状況が思わしくない事は、中国の輸出市場に需要の縮小をもたらし、市場は今後の世界貿易環境に対する自信に欠けている。他方では、国内の地方政府融資プラットフォームと不動産分野の需要が、厳しいマクロ調整政策により抑制されている。4月の中国製造業購買担当指数(PMI)サブ指数のうち、新規受注指数の低下は需要の成長が弱まっていることを示す。
指摘すべきは、マクロ調整の既定目標は経済成長を過熱傾向から緩やかな成長に導くことだった。しかし、データから見ると、投資、貿易などの分野では明らかな減速傾向が表れているにもかかわらず、新たな経済成長ポイントによる「バトンタッチ」が出来ていない状況の下で、なお政策面のバックアップが必要となる。実体経済における需要の萎縮は政策調整により「是正」されることが求められている。