そのため、今後政策の重点は需要の拡大である。金融政策から見ると、中央銀行は2012年に入ってから2度目の預金準備率の引き下げを発表した。今回の預金準備率引き下げの背景には、内外経済にいずれも不確定要素が増している現状がある。中央銀行は合理的な流動性の提供で、市場金利の低下、企業の融資コストの軽減、貸付規模の拡大を図っている。預金準備率の引き下げ、公開市場操作は、引き続き中央銀行が市場の調整を行なう主要な政策ツールとなる。貸付規模を拡大し、実体経済の通年の安定的な成長の実現を達成するため、預金準備率の更なる引き下げの可能性は依然存在する。
注意したいのは、近日、中央銀行が頻繁にレポ取引とリバースレポ取引を行っていることは、人民元建て市場において、中央銀行が新たな流動性管理メカニズムの形成を模索していることを明らかに示している。短期間のレポ取引とリバースレポ取引によって、金利の変動を落ち着かせ、資金分布を滑らかにする操作は常態となる可能性がある。
金融機関の貸出金利を基準金利の下限以下での変動幅拡大(例えば、商業貸出金利の優遇幅は基準金利の1割から2割までの拡大)を許可し、企業の融資コストを引き下げるべきである。また、タイミングよく金利を下げ、需要を刺激することも必要である。