なぜ高い?中国の輸入粉ミルク販売価格

なぜ高い?中国の輸入粉ミルク販売価格。

タグ: 中国輸入粉ミルク

発信時間: 2012-05-25 19:11:40 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

▽輸送・関税コストはそれほど高くない

同じような粉ミルク製品が中国と外国とでこれほど異なる価格になるのはなぜか。ある業界関係者によると、粉ミルクを輸入してもコストが2倍になることはないという。高い価格の背景には、輸入粉ミルクが中国でいびつな発展を遂げ、コストによって価格が設定されない市場を形成してしまったことがあるという。

第一に、粉ミルクの原料価格は最近低下の一途をたどっている。上海乳業産業協会の曹明是副秘書長(副事務局長)の説明によると、今年1月の上海税関関区の輸入粉ミルクの平均価格は1トンあたり5103ドルで、1ドルを約6.31元として計算すると、粉ミルク1千グラムは約32元になる。大量に輸入し、国内で包装すれば、国内での輸送料や販売にかかる経費を加えても、1缶900グラムのコストは100元を超えないという。

それでは海外からの輸送費用が輸入粉ミルクの価格を押し上げているのだろうか。英国の留学する張雪さんによると、英国から中国まで粉ミルクを空輸する費用に上海税関での関税を加えても、1缶あたりの輸送費用は基本的に80元前後で収まる。輸入粉ミルクを大量に海上輸送する場合にかかる費用は、個人が空輸する費用を大幅に下回るのであり、さらには粉ミルクブランドの多くはアジア・太平洋地域で販売する粉ミルクの原料を欧州よりも近いニュージーランドから輸入しており、輸送費用を理由にして価格を上げることはできないという。

それでは関税が原因だろうか。税関総署の2012年第10号公告によると、中国がニュージーランドから輸入する固体乳、濃縮非固体乳、バターの関税率は5.8%で、割当基準を上回る分の関税率は10%だ。ある業界関係者によると、粉ミルクのコスト全体の中で関税が占める割合は小さい上に、最近は関税が引き下げられており、乳業企業はもうとっくに関税引き下げを利用して利益を伸ばしているという。

結局のところ、輸入粉ミルク価格が高止まりしている理由は何だろうか。ある外資系粉ミルク会社の関係者の話によると、これは実は一種の経営戦略であり、「ハイエンド」や「スーパーハイエンド」などといわれる特製の高価格粉ミルクを次々にうち出す企業側の戦略にほかならない。外資系粉ミルクブランドの多くは中国人の飲食習慣や体質を踏まえて亜鉛や鉄などの成分を加えたとしているが、そのコストなど微々たるもので、市場向けの包装の方にもっと費用がかかっているという。

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