▽現状を変えるには国内メーカーの強化が必要
ある専門家の分析によると、ここ数年来、中国産粉ミルクに品質上の問題が頻発したため、中国人消費者の心の中で「(海外産の)高いものを買えばよい。(国産の)妥当なものは買わない」といった「輸入製品崇拝」志向が強まった。輸入粉ミルクのメーカーや販売業者はこの心理につけ込んで、一年に何度も値上げする戦略を採り、
中国の消費者をさんざんカモにしてきた。
東方艾格農用コンサルティングセンターが提供した統計データによると、2008年にメラミン事件が発生すると、輸入粉ミルクの価格は価格改定のたびに10%前後値上がりしてきた。数回のわたる値上げの末、現在の1缶あたり価格は08年から50元以上値上がりし、中には100元以上値上がりしたものもある。
外国産粉ミルクをむやみに求める消費者をカモにし、粉ミルク市場を操って、輸入粉ミルクは中国で野放しともいえる値上げを繰り返してきた。調査コンサルティング会社の中投顧問が発表した「2009-2012年中国粉ミルク市場投資分析・見通し予測報告」によると、輸入粉ミルクのハイエンド市場での占有率は08年初頭の70%から現在は85%に上昇している。
中国市場における輸入粉ミルクの独占的地位に終止符を打ちたければ、中国の乳業企業が強くなるしかない。中国乳業企業協会の陳三有常務理事などの業界関係者は次のように提起する。中国の乳製品企業は信頼システムの再建に専心しなければならない。包装をあれこれ考えたり外国人の真似をしたりすることで暴利をむさぼってはならない。ハイエンド消費市場での競争力を大いに高め、消費者から忠誠と信頼を勝ち取らなければならない。
「人民網日本語版」2012年5月25日