銀行間外国為替市場は6月1日より、人民元・円の直接取引を開始した。円は米ドルに続き、人民元と直接取引を行う2番目の外国主要通貨となった。人民元・円の直接取引は、中日両国に需要があるため、重要な戦略的意義を持つ。中国新聞網が伝えた。
◆企業:毎年約30億ドルの手数料を節約
中日貿易総額は、アジアひいては世界貿易の中で高い比率を占めている。しかしながら両国はこれまで、不安定な米ドルを介した貿易決済を行ってきた。人民元・円の直接取引により、企業の貿易にかかるコスト、為替変動によるリスクを軽減することができる。また日本企業による人民元の受け入れと使用を促し、人民元の保有を促す。日本貿易振興機構(ジェトロ)の統計によると、2011年の中日貿易総額は3449億ドルに達した。これまで両国は米ドルを介して貿易決済を行ってきたが、直接取引の実現により、毎年約30億ドルの手数料を節約することができる。野田首相が昨年12月に訪中した際、両国は金融提携の強化で意見を一致させた。安住財務相は今年3月、日本が最高100億ドル規模の中国国債を購入すると表明した。