他方では、今回の景気対策で、革新と技術進歩への促進効果も重視されている。先般開催された中国共産党中央政治局会議で、科学技術体制改革の深化、国の革新体系構築の加速化が提起された。会議で、革新型国家の建設、経済発展モデル転換の加速化と中国の戦略的目標の実現は、科学技術による力を借りなければならず、自主革新能力を高めることは何より重要であると強調された。これは非常に意味深いものである。
警戒すべきなのは、これら長期的視点に立った政策・措置が実施過程で意図的あるい非意図的に弱めることを防ぐことである。「安定的成長の維持」の各対策には軽重緩急があるが、即効性のある政策で経済指標が好転した途端、経済の長期的発展を狙うより重要な政策が放置されることを防止する必要がある。この点に関して、歴史的教訓がある。
したがって、今回の「安定的成長の維持」に向けた政策・措置の「重心」の所在を十分に認識し、これを切実に実施に移ってこそ、経済成長の質的向上を図ることができる。
「中国証券報」より 2012年6月6日