このうち事業を手がける合弁会社は青島ビールの全額出資子会社である青島ヒ酒上海松江有限公司を土台とし、同公司は13億3600万元でサントリー中国傘下の三得利上海食品貿易有限公司、三得利ヒ酒(昆山)有限公司、中国江蘇三得利食品有限公司、三得利光明ヒ酒(上海)有限公司といった関連事業子会社の株式を譲り受ける。またサントリー中国は現金13億5千万元を増資し、松江公司の株式の50%を取得する。青島ビールは松江公司に13億4千万元の委託貸付を提供し、一連の株式買収費用に充てるという。
中投顧問産業研究センター食品産業部門の研究員・簡愛華さんは青島ビールのこうした大きな動きについて、青島ビールのサントリーとの協力は、華潤雪花を抜いて国内最大のビール企業になることが狙いだと指摘する。
ある資料によると、青島ビールの2011年のビール売上量は715万キロリットルで、中国市場で約14%のシェアを占め、業界2位だった。1位の華潤雪花のシェアは約21%。
ビールの営業販売に詳しい方剛さんは取材に応える中で、「青島ビールとサントリーとの協力は、双方の現在のニーズを踏まえてうち出されたものであり、上海と江蘇省の2つの地域はビール企業がぜひとも獲得したい場所でもある。双方の協力は上海・江蘇両地域の販売ルートを強化することにつながり、サントリーは中国市場での弱点を補うことができる」と述べた。
またアルコールの営業販売に詳しい張学良さんによると、ビール業界は再編の後半期を迎えており、四大大手が現在向き合う対象は基本的には強いブランド力を備えたご当地ビールだ。地域戦争は今後さらに劇化する見込みだという。