張さんによると、市場競争という観点からみると、現在の競争は主に大手同士の間で、また大手と地域の強力ブランドとの間で行われているが、次の段階の競争は四大大手の間で行われるようになることははっきりしている。青島ビールの今回の協力モデルは、華東地域での弱点をしっかりと補うものであり、将来の競争で勝利を収めるための妙計だといえる。
実際のところ、サントリー中国が2つの合弁会社に再編しようとしている対象子会社は、これまで赤字が続いていた。
青島ビールの公告によると、サントリーが、事業を手がける合弁会社に再編しようとしている対象子会社は、親会社に帰属する純利益が10年は544万元の赤字、11年も32万元の赤字だった。また販売を手がける合弁会社に再編しようとしている対象子会社は、同純利益が10年は1億2967万元の赤字、11年はさらに1億7320万元の赤字だった。サントリーは必ずしも順調ではなかったといえる。
方さんによると、サントリーと青島ビールの協力はやむを得ない選択だ。双方ともに中国での経営が楽観的とはいえないからだ。同じように他の外資系ビール企業も中国での発展プロセスでさまざまな困難にぶつかっている。国内ビール大手の競争という局面が形成されるのにともない、未来の市場でも合併買収(M&A)が続き、外資系企業が国内大手数社の事業拡張に大きな圧力になることが予想される。アンバイザー・ブッシュ・インベブグループだけでなく、他の外資系企業も売上が縮小を続けており、キングウェイビールを含む複数企業が企業売却の意向を示している。そんな折にサントリーと青島ビールが協力関係を結んだ。この一連の動きから、外資系ビール企業の中国市場撤退の兆しがうかがえる。
*ヒ:「口偏」に「卑」
「人民網日本語版」2012年6月7日