◆戦略的なミス
家電業界の専門家の劉歩塵氏は、パナソニックの業績不振の原因について、「経済環境の悪化は考慮すべき要因だが、パナソニックは長期に渡り自社の製品戦略を調整しておらず、テレビ市場のシェアの大幅な低下を招いた」と分析した。
劉氏は、「パナソニックはフラットテレビの時代にプラズマテレビに固執し、かつ商品戦略の重要な位置に据えた。プラズマテレビがフラットテレビの主流でないにも関わらず、同社は戦略調整を行わなかった」と続けた。
パナソニックは伝統的な理念に固執し、テレビ事業に対して大幅な投資を行った。大坪文雄社長は先月の説明会で、「フラットテレビに過度な投資を行なっていた。大規模な投資後、金融危機や円高の影響を受け、生産能力の余剰が生じ、実質的な利益が得られなかった」と述べた。
パナソニックは「中国市場がなければパナソニックはない」と強調しているが、中国における経営戦略にも変化が見られない。劉氏は、「中国市場で販売する製品が、現地の需要に合致するかについて、中国の現地法人からの提案はまったく採用されず、本社が決定権を握っている。現地から離れた戦略決定は、中国市場の現状に合わない」と指摘した。
「人民網日本語版」2012年6月8日