中国市場は現在、新エネルギー車の普及に力を入れているが、実際の状況を見る限り、短期間でEV市場が立ち上がる状況にない。さらに、青年汽車が発表した「買収失敗声明」によれば、中日企業連合の今回の買収には商標が含まれていない。今後、企業連合が商標を買い取るかどうかは未知数であるが、いずれにせよ商標権を得るにはサーブ飛行機部門の同意が必要となる。
つまり中日企業連合は今後、サーブの設備や技術を借りつつ、全く新しいブランドを構築しなければならないのである。しかし、ブランドのないEVが中国市場で消費者に認められるのかどうかもまた未知数である。どうして青年汽車が数億ドルもはたいてまでサーブの設備、技術、ブランドを買いたかったのか。それは中国国内消費者が新ブランドを滅多に受容しないことを彼らが知っていたからである。
そのため、中日企業連合はサーブを買収したからといって、宝物を買ったと思わないほうがいい。1年以上生産が止まっていたサーブを立て直すことを考えるだけでなく、将来、中日企業連合がサーブという商標を買収できなかった際には、ブランドが最大の問題として浮上することを考慮に入れておくべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年6月21日