廉価な労働力で優位性を維持してきた中国製品が、徐々に劣勢に立たされるようになっている。ある海外の商工組織が発表したレポートによると、中国の外資企業が賃金の急騰に苦しんでおり、労働コストのさらに低い東南アジア諸国への工場移転を検討する企業が少なくないという。フランスの投資銀行が最近発表した研究報告書は、4年後に中国の労働コストはアメリカ並みになり、5年後にユーロ圏諸国と同水準に、7年後は日本並みになると予測している。
労働コストの上昇は必然
国家情報センター経済予測部世界経済研究室の副研究員、張茉楠氏は記者の取材に対し、改革開放が始まって30年間、中国での巨額な貿易黒字は廉価な労働力によるところが大きかったため、賃金は長期に渡って過度に低く抑えられてきたとの見方を示す。今後10年、中国では労働コストの上昇が見込まれ、もはや安い賃金では労働力を供給しきれなくなっている。中国の人口ボーナスは過去の話だと述べる。