更に、中国の例年の製造業PMIの動向からすると、季節要因の影響を除外して考えた場合、8月の製造業PMIは反発する可能性が高い。以前のデータを見ると、世界金融危機が発生した2008年でも、8月、9月のPMIはいずれも上昇に転じている。
現在、経済の底固めの動きははっきりしているものの、経済成長の回復の動きは依然、明らかになっておらず、更に観察を続ける必要がある。
生産面に関して言えば、企業の在庫調整が間もなく完了するとしても、生産が上昇基調を確立できるかどうかはまだ観察の余地がある。主に電力使用量、新規貸付、生産者物価指数(PPI)の変化に注目したい。需要と供給が再びバランスを取り、完成品在庫指数が低下するにつれ、需要側のギャップは縮まるだろう。需要の低下とギャップの縮小により、価格は下方調整される。そうなればPPIの底打ちが遅れ、7月以降に引き伸ばされる可能性がある。
需要面に関して言えば、小企業のPMIは回復しているものの、依然4カ月連続で分岐点を下回っている。また、7月の生産指数は縮小しているが、新規受注指数と比べると、引き続き高い水準を保っている。需要の回復は依然弱く、特に新規輸出受注指数は2カ月連続で50%以下まで縮小し、今後の輸出成長は鈍化する可能性がある。一部業種、特に原材料工業の成長は減速し続ける見通しだ。