◆中国企業による買収、成功の理由は?
楊CEOは買収合併前に、日本最大のパソコン販売店のヤマダ電機の担当者を訪問した。ヤマダ電機のデータによると、NECは日本市場で幅広く受け入れられている高級ブランドで、その価格はレノボの同スペックの製品を20%上回り、日本のその他のブランドをも大きく上回る。合弁企業は、より大きな潜在力を獲得した。レノボはまた、NECの長期的な赤字は高いコスト(原材料コスト、会社の経費)が原因であることを知った。
買収合併前、NECはレノボの求めに応じ、3分の1の従業員を削減した。買収合併後、NECはレノボの大規模調達によるコスト力を共有し、経費・人件費等の支出も減少した。これはNECの利益獲得能力改善に対して、重要な役割を果たした。
レノボ・ジャパン株式会社の留目真伸常務執行役員は、「NECには強みがある。日本でのブランドイメージは、日本の消費者との交流に役立つ。研究開発も、日本の顧客に特化したサービスと業務フローに対応できる。NECは日本にも工場を構えており、日本の一部顧客の製品オーダーメイドの需要を、迅速に満たすことができる。これらはレノボが持たない強みだ」と語った。
ハイアールアクアセールス株式会社の中川喜之社長は、「本社は低価格ではなく、機能・品質・デザイン等の付加価値により好評を博してきた。中国メーカーに対する抵抗はすでにない」と述べた。
日本の家電売場で売られているのは依然として日本ブランドの製品であるが、「中国製」のラベルが貼られた製品が増加している。東芝(中国)有限会社の桐山輝夫総裁は、「日本の消費者はすでに、日本製であるか中国製であるかを、それほど気にしなくなった。中国製はすでに必然的な流れであるからだ」と指摘した。
観光客が日本で家電を購入する場合、ガイドに炊飯ジャーを推薦されることが多い。日本の大多数の家電はすでに、中国現地で生産されている製品と変わらなくなってきている。