◆ラオックス、蘇寧が日本進出を計画
「歓迎光臨!」(いらっしゃいませ)--大阪の街頭で、黒の制服を着た従業員が、正しい発音の中国語で顧客に挨拶をした。ラオックスの大阪日本橋店だ。
3年前の6月、蘇寧電器はラオックスの29.16%の株式を取得し、筆頭株主となった。蘇寧は2年後さらにラオックスの51%の株式を取得し、支配株主となった。
当時、同情報は業界に衝撃をもたらした。ラオックスの買収は、蘇寧電器の海外進出戦略の重要な一歩であり、中国製品の日本進出のルートを切り開いたのだ。蘇寧電器は海外上場企業を買収した初の中国流通企業で、中国企業の資本拡張のモデルとされている。
本紙は2012年7月10日、競合他社のジョーシン日本橋1ばん館から3キロ離れた、ラオックスの大阪日本橋店を取材した。同店舗は免税店として、現地の消費者と観光客に知られている。
蘇寧電器の社内では、ラオックスに期待が寄せられている。ラオックスは新業態の「試験田」とされており、蘇寧電器との「ダブルブランド戦略」を推進する。現在、経済情勢の影響やeコマース等の新たな販売ルートの拡大により、伝統的な家電販売ルートがモデルチェンジを迫られている。蘇寧電器がこのほど発表した半年次報告書によると、2012年上半期の売上高は、前年同期比6.69%増の471億9100億元(約5890億円)にとどまり、増加率が大きく低下した。中国家電量販店の国美電器は業績予想を発表し、同社の売上低下、eコマース事業の赤字により、上半期の業績が赤字に転じたと発表した。同社が赤字を計上するのは3年半ぶりだ。
家電業界がモデルチェンジを迫られている昨今、ラオックスは蘇寧電器の発展の原動力となりうるだろうか。(次回に続く)
「人民網日本語版」2012年8月6日