◆不動産開発業者の資金チェーンが緊迫
5月、不動産市場はターニングポイントを迎えた。売上が上昇し始め、一部大手企業の売上データは前年同期に比べ好転した。しかし、不動産企業の資金圧力の目立った緩和は見られない。8月13日現在、不動産上場企業32社が中間報告書を発表している。そこからわかるように、企業の債務返済と利払いによる圧力は改善されていない。
中国金融情報サービスベンダー最大手のShanghai Wind Information Co. ,Ltd.(Wind)の統計によると、2012年6月30日時点、不動産上場企業32社の当座比率は0.42、2011年同じ時期は0.79だった。当座比率が大幅に下がったことは、企業の短期的な負債に対する支払能力が大幅に下がったことを意味する。6月30日時点、32社の利子負担率は12、2011年同じ時期は10だった。これはつまり、利益の減少、債務利息の増加によって、一部企業の利子負担率が低下したことを意味する。また、企業の有利子負債と株主資本は2011年同じ時期の水準を大きく上回っている。
不動産業の資金が引き続き緊迫している状況は、ミクロの視点からもはっきりうかがえる。中間報告書から、多くの不動産上場企業の信託のコストは依然高いことがわかる。例を挙げると、莱茵置業が上半期発行した18カ月物と24カ月物の信託商品の利回りはそれぞれ18%と13%である。資本コストの高止まりは中小の不動産企業に限ったことではない。公表されている情報から、大手企業の資金圧力も大して減っていないことがわかる。2011年末以来、万科集団と華潤深国投はそれぞれ4回に分けて、総額40億元の信託プロジェクトに調印しており、現時点の利払いは累計1億5000万元以上に上る。万科集団の規模がトップ5の信託貸付に占める割合から見ると、資金の利回りは9.4―11.2%の水準である。