たとえ、国内外の豆類、トウモロコシなどの穀物の先物価格が再び高騰しても、国内の物価にもたらす上昇圧力は限定的である。CPIに占める割合で見ると、食品類が占める割合は31.49%、うち最も影響が大きいのは豚肉に代表される家禽畜肉類の価格で、7.43%を占める。次が穀類で3.07%。2012年に入ってから、豚肉の価格は全体的に下落傾向にあり、CPIの押し下げ要因となっている。中国国内関連部門の穀物価格に対する調整によって、国内の穀物価格が国際市場の直接的な影響を受けて急騰することはない。
また、中国のトウモロコシと小麦などの穀物類の海外依存度は3%に満たないため、海外市場の価格変動が国内に顕著な影響を与えることはない。大豆の海外依存度は80%を超えているものの、過去の例から、大豆・脱脂大豆・豚肉の価格高騰の関係は逆方向に作用するというロジックである。つまり、豚肉価格の高騰が逆に脱脂大豆の価格を押し上げる確率の方がより高く、脱脂大豆の価格上昇が豚肉の価格を押し上げるのには限度がある。このことは、先般、脱脂大豆が記録的な高価格となったものの、豚肉の価格が依然下降傾向を維持していることからも既に証明されている。