中核的な利益を守り、対外協力を推進する上で、製造業の着実な支援は欠かすことができないものだ。「メードインチャイナ」(中国製造)が世界の産業チェーンのハイエンドによじ登るためには、イノベーションのエネルギーを喚起し、産業のモデル転換・グレードアップと構造調整を実現することがカギになる。「人民日報」が伝えた。
製造業は国の実力の重要な土台だ。中国の国力が今日このような地位に達したのは、主として実体経済の壮大な発展ぶりによるものだ。中国が今後、世界という舞台のセンターにしっかり立とうとするなら、製造業の支援を欠くことはできない。
国際金融危機は実体経済の役割の重要性を、逆説的に改めて浮き彫りにした。製造業からどんどん離れていくバーチャル経済の「バーチャルな火事」が、危機を醸成し、グローバル経済を長期的な低迷に陥れた主な要因だ。欧州の人々は、ドイツが暴風雨の中にあってもしっかり立って倒れないでいられるのは、ドイツが依拠しているのが製造業、すなわち「メードインジャーマニー」だからだ、ということを認識するに至った。米国政府も「メードインUSA」が再び活力を取り戻すよう、全力で取り組みを始めている。実業への回帰は、発達した経済体の共同の戦略的選択になっているようにみられる。中国の製造業は一時、前からも後ろからも攻撃を受ける状態にあった。中流から下流では東南アジアなどのエリアの新興経済体に猛追され、中流から上流では米国、ドイツ、日本などの発達した経済体から強い競争圧力をかけられ続けた。
人民元の対米ドルレートが上昇し、労働力コストの上昇幅が大きいといったマイナス要因はあっても、中国は激しい競争の中で希望を見いだしている。一連のミドルエンド産業やローエンド産業が中国から移転したが、これでメードインチャイナと完全に縁が切れてしまったわけではない。