▽西部:後発の優位性をうまく利用
経済発展が「西高東低」となったことは、ある程度の段階に達した東部の発展が数々の「ボトルネック」に直面したことと関係がある。清華大学公共管理学院の魏星助教授は取材に答え、「経済発展モデルの転換とアップグレードの結果、沿海地域の成熟した低技術・低付加価値、労働集約型の産業発展モデルが大きな圧力に直面するようになり、経営・収入規模と収益能力が顕著に低下した。また、欧米の経済成長鈍化により、外需が大幅に減り、沿海地域が長期的に形成してきた外需主導型の産業発展モデルは大きな打撃を受けた」と指摘した。
東部とは対照的に、西部地域には後発の優位がある。国務院発展研究センター・資源環境政策研究所の李佐軍副所長は、「資源条件に恵まれた西部は、後発の優位を十分に発揮できる。さらに国家西部大開発戦略、中部地域台頭戦略の実施により、中西部地区は政策的にも多くのチャンスを迎えた」と指摘する。
魏助教授は「中西部地域におけるインフラ・エネルギー・原材料などの投資は、すでにインフラが密集し産業が成熟した東部沿海地域を大きく上回っている。これにより、短期間で地域経済成長が大きく牽引された。また、中国で土地や労働力などの基礎的な生産要素の価格が大幅に上昇したことにより、これまで低コストというメリットで生き残ってきた一部の低付加価値産業が中西部の内陸地域へと移転し始めており、短期間で急速に生産能力を形成した」との見方を示した。