夫婦は元もと同じ林に棲んでいる鳥で、大きな困難がふりかかると別々に空へ飛んでいくものだ。経済危機が結婚の試金石になっていることは間違いない。経済を土台として成立する結婚は、つまるところ経済危機の中で崩壊するのだ。
危機は経済的基盤を攻撃するだけでなく、感情的な摩擦も生み出し、カップを離婚へと導く。このことは「貧しい夫妻は悲しみにあふれている」という言葉を裏付けるものだ。金があれば毎日を楽しく過ごすことができ、たまの諍いは生活のスパイスになる。だが金がなければ生活の質を落とすことを余儀なくされ、燃料、米、油、塩、しょうゆ、酢、茶など、いちいち比べてこまごまと値段を計算しなくてはならない。おまけに仕事がうまくいかず、リストラにあったり、大きな圧力がかかったりすれば、問題が起きやすくなり、争いが増え、最後には不機嫌に袂を分かつことになるのだ。
離婚して再婚し、再婚してまた離婚する。ある意味ではこれは低迷する経済への貢献といえる。だが家族の心に残された傷は、温かい家庭でなければいやすことはできない。フランスの思想家モンテーニュのいうように、生活の芸術というものは逆境を上手に利用することにこそあるのだ。
「人民網日本語版」2012年9月6日