中国企業研究院の李錦研究員は「海外資産の質、業務モデル、運営モデル、企業文化、人材構造、管理モデル、資源統合といった面で、中国の大企業は世界と比べて大きく劣る。世界一流の多国籍企業はグローバルな資源配置を実現できる。例えば、生産ラインはコストが最も安い国に設立し、製品は価格が高く、市場潜在力が最大の国で販売し、人材は世界各国から募集し、必要な場所に派遣するといった具合だ。これは中国の大企業が最も不足する点だ。中国企業の多国籍経営の多くは、未発達の国で請負工事を行うか資源開発に投資するというもので、人材の多くは国内から派遣し、製品の主要市場も国内だ」と指摘する。
グローバルな資源配置を実現するには企業の管理水準を向上しなければならない。企業は自社の特徴と戦略ニーズに合わせ、統一された業務基準、サービス理念、グローバル戦略の業務目標、各部門間の協力・資源共有メカニズムなどのグローバルなメカニズムを構築するなど、グローバル経営の要求に合わせた組織構造および効果的な集団管理モデルを構築するべきだ。
過去4回のM&Aに成功した中国化工集団公司の任建新総経理は「人的資源の配置を例に取ると、我々は海外集団の経営幹部全員に中国人のアシスタントをつけ、一対一で学ばせている。海外からも多くの管理人材を招致している。子会社の藍星集団は本部は北京にあるが、経営幹部14人のうち11人が外国人だ」と語る。
「人民網日本語版」2012年10月9日