このような発展には、二種類の意義が含まれる。まず、これは経済の支配的な地位が米国から中国に移る重要な合図である。人民元連合は現在、アジアのドル連合に取って代わった。この象徴的な意義と歴史的な重要性は、過小評価できない。東アジアは米国から遠く離れているが、これまで米ドルの裏庭の一部であったからだ。
米国の楽観派は日本の過去数十年間の浮き沈みを引用し、台頭する中国が日本の二の轍を踏んでいると暗示している。しかし彼らは、日本の奇跡的な高度経済成長のピーク期にも、円が米ドルに対抗する基準通貨にならなかったことを認識するべきだ。東アジアでも、円連合が誕生する兆しは見られなかった。
次に、このような変化は東アジア諸国が、2大国の綱引き競争に巻き込まれることを示している。経済的な魅力、貿易、通貨によるけん引を受け、東アジア諸国は中国に接近している。しかし中国による政治的・安全面の脅威を受け、東アジア諸国は米国の懐に飛びついた。古いことわざにもある通り、政治は一時的な快感を得ることしかできず、最後に笑うのは経済である。中国と米国に依存しバターと銃火器を得るという戦略は、バランスを保つことが困難だ。
米国の次期大統領は、米国の当面の急務は国内経済の復興であり、人民元やその他の中国の政策に固執するべきではないと認識している。米国経済の復興は必然的な流れだが、これが成功したとしても、台頭する中国を前にした米国が支配的地位を維持できるとは限らない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年10月24日