以前、中国国内でリスク回避のための企業による外貨の大量購入が、実際の需要を超えていることが問題になった。企業が前もって、外貨を購入し、外貨決済を先延ばしにする意欲は明らかに弱まっている。羅氏は「国内外の各方面の要因によって、人民元の切り下げ傾向は効果的に抑えられており、状況は逆転しつつある。そして、4月に為替改革の新政策が打ち出されてから、人民元為替レートの変動幅は拡大し、市場により多くの取引の可能性を提供したことで、取引の方向は急速に転換した。人民元に殺到する現象が起き、国内の民間企業は再び大量の外貨決済を開始、為替レートの急速な上昇に繋がった」との見方を示している。
頻繁に最高値を更新し、連続でストップ高になったことで、人民元は一方的な切り上げの道を再び歩むことになるのだろうか。市場関係者の多くが、人民元の大幅上昇傾向が続けるには力不足で、今後の人民元相場は上昇と下落の繰り返しが常態化するだろうと見ている。上場銀行の関係者は「寄り付きでストップ高となり、その後、大量に人民元が安値で売られたことは、人民銀行の態度の変化を示している。人民銀行が介入を強化すれば、人民元の市場価格は再び基準値に近づくと見られる」との見方を示している。
「中国証券報」より 2012年10月29日