――対話と交流を深めること。エネルギーの輸出国、消費国、中継国の間の対話と交流を深めることは、エネルギー分野での国際協力を行うための土台である。国際社会は二国間関係や多国間関係をいっそう緊密化し、エネルギー効率の向上、省エネ・環境保全、エネルギー管理、エネルギー政策などにおける対話と交流を強化し、国際エネルギー市場の監視・緊急対応システムを整備し、情報交流や人材養成、協調行動などにおいての協力を深めなければならない。 ――エネルギー分野での協力を着実に行うこと。各国は互恵・ウィンウィン、共同発展の原則を踏まえて、国際エネルギー資源の探査・開発における互恵協力を行い、協力のしくみと手段を充実、整備し、世界のエネルギー供給を増やし、供給ルートの多元化を促すべきである。大口のエネルギー製品の価格の安定化に向け、共同で対策をとり、各国のエネルギー需要を満たし、エネルギー市場の正常な秩序を維持しなければならない。先進国は人類の持続可能な発展を目指して、知的財産権を保護する前提の下で、開発途上国に高効率のクリーンエネルギー技術を積極的に提供し、移転し、世界の環境保全の発展をともに促進しなければならない。国際社会は手を携えて、後発開発途上国のエネルギー貧困の撲滅を支援し、エネルギーサービスを拡大し、持続可能な発展を促さなければならない。 ――世界のエネルギー安全保障を共同で維持すること。公平かつ合理的な国際エネルギーガバナンスの枠組みは世界エネルギー市場の安定を保つための重要な条件である。各国は協力を深め、エネルギー生産国とエネルギー輸送の経由国、とりわけ中東などの産油地域の情勢安定を共同で維持し、国際エネルギールートの安全と円滑化を確保し、地政学的紛争が世界エネルギーの供給にもたらす妨害を減らさなければならない。対話と協議を通じて、重要な国際エネルギー問題を解決し、エネルギー問題を政治化してはならず、何かといえば武力に訴え、ひいては対抗を誘発することは避けるべきである。
結びの言葉
エネルギーは、中国が小康社会を全面的に建設し、現代化を実現し、国を富ませ、国民を豊かにするための重要な物的基盤である。中国はエネルギー問題をきちんと解決し、確固としてエネルギーの持続可能な発展の道を歩むよう努める。 今後しばらくの間、中国は依然として工業化、都市化が急速に発展する段階にあり、経済成長、民生改善の任務は非常に重く、エネルギーの需要はまだまだ増加する。13億以上の人口を抱える発展途上の大国として、中国は国内に立脚し、エネルギー供給を増やし、供給能力の着実な向上に努め、経済の平穏かつ急速な発展と人々の生活改善のためのエネルギー需要を満たさなければならない。 エネルギー安全保障はグローバルな課題であり、ほとんどの国が国際協力なしにエネルギーの安全保障を獲得することはありえない。中国がエネルギーの発展において収めた成果は、世界各国との友好協力と密接不可分である。将来の中国のエネルギー発展には国際社会の理解と支持がさらに必要となる。十数億人を抱える中国がエネルギーの持続可能な発展の道を歩むことは、人類のエネルギー発展史上における新たな模索と実践である。中国は過去から現在までそうであったように、将来にわたっても世界のエネルギー安全保障を脅かすことはない。中国は平等互恵、ウィンウィンの原則に基づいて、エネルギー生産国・消費国、国際エネルギー関連機関との協力をいっそう深め、世界のエネルギーの持続可能な発展をともに促し、国際エネルギー市場と価格の安定維持をはかり、国際エネルギールートの安全と円滑化を確保し、また世界のエネルギー安全保障と気候変動対応のためにしかるべき貢献をするものである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年11月1日