ミクロ的な視点に立つと、中・低所得層が小康社会に足を踏み入れることで、生活必需品の消費の割合が低下し、ミドルエンド・ハイエンド消費やサービス関連支出が増加し、消費需要も基本的な需要に基づくものから発展志向型の需要や享楽型の需要へと中心を移していくことが予想される。消費のグレードアップは中・低所得層の動きによりはっきり反映されるとみられ、その原因としてこれらの層の人々は限界消費性向がより高く、所得増加にともなう消費行動の変化がよりはっきりしているということが挙げられる。高所得層はすでに小康状態に入っており、物質的なニーズに大きな変化は望めない。だがサービス、心の健康、自己実現などをめぐる消費の割合がさらに拡大するとみられる。
量であれ、構造であれ、消費の新たな飛躍が産業の発展に巨大な可能性をもたらすことになる。このことは、全面的な小康社会の建設という壮大な目標が、中国経済に新たな成長周期に入るよう促していることを意味する。
「人民網日本語版」2012年11月9日