空母用の鋼がよい例だ。これは多くの国にとって胸の痛みとなっている。
インドは2006年4月、国産空母を建造するために高額でロシアから456トンの特殊鋼を輸入した。空母を1隻造るのに、このような鋼材は約2万トン必要だ。
空母に使用できる鋼材を製造する国はまだ世界に4カ国しかない。米国のHY-100鋼とHY-80鋼は空母製造に最も適した鋼材である。
「空母を造ろうと思い、4000万米ドル超を造船工場に投資して道路整備、ドック建設、工場建設を行い、これらのインフラが整ったところで空母用の鋼がないことに気がついた」という軍事専門家の張召忠氏の言葉から、中国の空母登場において残念な部分もあることがわかる。
ワリャーグは、ウクライナから大連に運ばれてから3、4年保管された。中国に空母の修復に使う鋼材がなかったためである。
ある匿名の軍事専門家は、空母の鋼板と溶接の技術は中国がすぐに解決しなければならない課題だと話す。
空母の外殻の鋼板は巨大な水圧と腐食に耐えられるものであり、甲板には艦載機の離着艦時の衝撃や煙、攻撃などの極端で複雑な任務環境に耐えられる、汎用艦よりはるかに強度が高く厚い鋼を使用しなければならない。ところが、当時の中国には、甲板上のアレスティングワイヤーに使用できる鋼材を生産する能力がなかった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年12月13日