中国社会科学院世界経済・政治研究所の張宇燕所長が2013年「世界経済黄皮書」発表会および世界経済と国際情勢報告会で、今年の世界経済の特徴について総括した。なかでも日本経済の世界への「同化」が注目を集めた。
◇新概念:欧米経済の「日本化」
今年はいわゆる日本化現象が益々浮き彫りとなった。この概念は日本の財務副長官がある会議で提起したものだ。彼は欧米を訪問し、先進国、特に米欧日などの主要経済先進国の経済に同一化がみられることに気づき、「日本化」という概念を使って米国と欧州が日本に似てきていると指摘し、次の4つの特徴を挙げた。
(1)債務の積上げで財政政策の余地が減り、財政の持続が不可能で、金融市場全体および経済成長の安定に非常に大きな影響を与えている。
(2)従来の金融政策や利率低下を通じた成長促進・雇用拡大といった手段は効果がなくなり、基本的に流動的ワナに陥っている。欧米の利率は非常に低く、現在の経済状況もよくない。いずれも唯一採用できる、従来にはない金融政策、QE1、QE2など欧州版量的緩和政策をとり、日本も国債購入拡大を始めた。これらは典型的な例。