◆景気回復を最重視
自民党の衆議院総選挙の政権公約における「デフレ脱却・日本経済再生」は、新政権の主な課題になる。初の閣議は、経済政策の司令塔となる「日本経済再生本部」を設置し、2012年度補正予算案と2013年度予算案を編成し、これを大規模な景気刺激策として次の本会議での可決を狙う。市場は、「安倍政権は来年1月中旬までに、10兆円規模の補正予算案を提出するだろう」と予想している。
安倍氏は12月23日に、日銀に対して物価目標の引き上げを再び求め、その要求を満たさなかった場合「日銀法を改正し、日銀に対して雇用増の責任を負わせるだろう」と迫った。政治的手段により日銀の独立性に干渉することを示す発言は、日銀にとって過去最大級の脅威といえる。安倍氏は25日、連立政権を組む公明党と物価目標を設定することで一致した。経団連との会合中、安倍氏は態度を再表明し、「首相に就任したら、日銀に対して金融政策の具体的措置を決定させる。日銀が、大胆な金融緩和策等を実行することに期待する」と語った。