量的緩和政策を多用すれば自身にとってマイナスになるだけでなく、他者にも損害を与える。日銀の白川方明総裁によると、国際市場をながめれば、日本は世界3位の経済大国であり、短期的には自国通貨の大幅な値下がりを放任しており、今後は必ず国際金融市場に混乱をもたらし、新たな通貨戦争を引き起こす可能性もあるという。商務部研究院の白明研究員によると、現在の状況から考えて、各国の量的緩和政策はまだ相対的に孤立したものであり、それぞれの出発点は基本的には国内経済の振興だ。このためまだ通貨戦争を引き起こすには至っていない。だが多くの国が相次いで流れにのって通貨の価値を引き下げるような動きをすれば、通貨戦争を引き起こすリスクが高まる。
通貨戦争のリスクだけでなく、米日の量的緩和は世界のインフレ傾向を助長する可能性がある。孫教授によると、米ドルは基軸通貨であり、石油や金などの大口商品は米ドル建てで価格が設定される。米ドルの価値が下がれば、これらの商品の価格がおのずと上昇することになる。