だが一部の新興市場国の財務官僚は、日本を含む先進国が緩和政策を採用することを批判し、無責任な行為だとの見方を示した。あるアナリストによると、為替レートの問題がますます政治問題化する傾向にあり、通貨をめぐる競争が今回の会議でピリオドを打つとは考えられないという。
英国・ロンドンの前市長で上海交通大学の客員教授を務めるジョン・ロス氏は取材に応える中で、「円にはなお切り下げの可能性があり、米国は円安を擁護するとみられる」と述べた。
円安はまだ米国の経済的利益を損なってはいない。米シンクタンクのブルッキングス研究所のシニア研究員を務めるドメニコ・ロンバルディ氏によると、米国は引き続き円安を容認する可能性があるが、中国が外国為替市場に介入して自国の輸出の安泰をはかる可能性があるという点にこそ潜在的な問題があるという。