「搾汁機株」がどのような仕組みなのかを、香港株の福方集団を例に挙げて説明する。2011年7月に上場した福方集団は、2007年に有償増資を行った後は、本格的に「搾汁機株」の一員となった。2008年から2012年まで、毎年何度かに渡って割当増資が行われた。株価が下がり続けると、株式併合を通して株価を維持し、その後も株主割当と株式併合を繰り返し行った。
数年にわたり、福方集団は10対1の高い併合比率で株式併合を行うなどして、株式資本は2万倍近く縮小した。その上、株式併合後すぐさま、株主割当増資、転換社債の発行や株式の取得など様々な手段を通して、投資家の利益を試みずに資金調達を実施。初歩的な統計によると、株主割当による調達金額は14億香港ドル、転換社債による融資額は10億香港ドルに上る。それにも関わらず、福方集団の現在の時価総額はわずか1億香港ドル前後で、この「搾汁機株」の資金を搾り取る威力は並大抵ではないことが分かる。その上、福方集団は毎度、業績が大幅欠損になると、株式併合の前に減資(額面変更)を実施し、株式の額面を引き下げることで見込まれる利益で赤字を相殺していた。
このように、株式併合、減資などを巧みに利用して、株価を維持し、黒字転換を装うことで、事情が詳しく理解できない投資家にとっては、この上なく魅力的に映るのである。