山本氏は、「メキシコペソの相場は今年、対円で13%上昇した。これは日本からの資金によるものだ。ペソにはさらに上昇する可能性がある。円の見通しに弱気だったら、ドルの代わりにメキシコペソを買ったらどうか」と提案した。
ロシア・ルーブルにも、大量の資金が流れ込んでいる(特に売り出し債と呼ばれる、日本の個人投資家向けの外貨建て債券を通じて)。ルーブル建て売り出し債の発行額は、今年2億7500万ドルで2位となり、日本で長い人気を誇るブラジルレアル建て(3億7300万ドル)に及ばなかったが、トルコリラ建て(2億5000万ドル)は上回った。
野村証券の池田雄之輔・チーフ為替ストラテジストは、「メキシコとロシアに流れ込む資金の多くは、オーストラリア資産から来ている。オーストラリア準備銀行は2年連続で利下げを行っており、オーストラリアの債券の魅力が低下した。他にも日中外交関係の悪化により、投資家は中国関連リスクを見直している。日本の投資家は、中国経済に最も敏感に反応する通貨は、豪ドルだと気づいている」と指摘した。