■環境・地質面のリスクが開発のボトルネック
メタンハイドレートの多くは海底の岩石中に埋蔵されているため、石油や天然ガスと比べると採掘や輸送が容易でない。このため完璧な開発手法は世界にまだない。
「メタンハイドレートの開発では本来の温度条件、圧力条件を変えて、大量分解を引き起す。このため温度条件、圧力条件を効果的に制御できなければ、温室効果、海洋生態の変化、海底地層の崩壊などの環境問題を引き起す可能性がある」と国務院参事で元国土資源部(国土資源省)チーフエンジニアの張洪濤氏は言う。
技術的関門をクリアしなければ、メタンハイドレートの開発が極めて大きなリスクを伴うことは明らかだ。メタンハイドレート開発の引き起す環境・地質災害を考えて、各国共に慎重な姿勢で賢明なやり方を採用している。つまり、環境への影響を解決する理想的な方法を見出すまでは、通常の鉱物資源のような大量採取は行わないことだ。