地質の専門家は日本が今回採用した「減圧法」について、すでに警告している。
減圧法はメタンハイドレートを埋蔵する海底に深い穴を大量にうがち、二酸化炭素を注入して減圧し、メタンガスを放出させる手法だ。「減圧法は比較的コストが低く、大規模な採取に適している。だが経済的にフィージビリティがあるのは、温度、圧力の相平衡状態に近い時のみだ」と中国地質科学院鉱物資源研究所の祝有海研究員は指摘する。
技術的ボトルネックはメタンハイドレート開発の障害の1つに過ぎない。開発コストの点から見て、メタンハイドレートの経済効益が石油や天然ガスと比肩しうるかにも疑問がある。メタンハイドレートから分離したガスは体積が大きく、輸送は極めて困難だ。海底パイプラインを建設するか液化する必要があり、採取だけでなく貯蔵・輸送コストも相当高い。こうした障害は短期間には解決困難だ。